タキさんのくれたもの

先日、タキさんが飛び立ちました。

去年のクリスマスイブにうちやって来たジョウビタキの女の子
中国の北部辺りから越冬しに日本へやってくる渡り鳥です。

猫に追い詰められ、道路の端ですくんでいるところをたまたま通りかかった夫が見つけて保護しました。

走って逃げようとするけど飛べない。

よく見てみると、左の翼の風切り羽根が一本もない。
尾羽も左半分がない。

猫に噛まれた時に根こそぎむしられたようです。

ただ幸いなことに、目立った外傷も骨折もしていないので、羽根が伸びたら放してあげられそうでした。
少しの間、竹カゴ暮らしで我慢してね。

タキさん、タキさん。

夫は始めからそう呼んでいました。
この人はいつも出会った瞬間に名前をつけるな…

そして、そのまま定着してしまいました。

タキさん。

そう聞くと滝廉太郎を思い出してしまうのはわたしだけでしょうか。
風間トオルが滝廉太郎役をやっていた映画で「タキさん」と呼ばれていましたね。

「タキさん、ごはんだよー」と声をかける度、頭の中では

♪は~るこおろおおの~ はなのえん~♪

有名なあの曲が流れてきます。
その後も延々リピート演奏が続きます。

誰か止めて~

その3日後。

友人のお父さんの焼き鳥屋さんでの忘年会。

お父さん焼くのやめてカラオケで歌い始めましたよ

「荒城の月」

ああ、ここ3日間の脳内演奏がとうとう現実化してしまった。

どうしてこうどうでもいいことは簡単に実現化できてしまうんでしょう。

それこそが引き寄せの極意で、恐れも気負いもなくリラックスしてイメージしたことほど簡単にやってきます。

ああ、そして

なんて長いんだこの曲。

4番まであるよ!
もういいよ!

そう。大事なのはイメージ。

タキさんの翼の羽根がニョキニョキと生えてくるのを毎日イメージしながらヒーリングをしていました。

シータヒーリング®︎ では脳波をシータ波にして、宇宙の無条件の愛のエネルギーを使いヒーリングを行います。

この時、ヒーリングをするのは創造主で、わたし達ヒーラーは見届けるだけ。
目撃者がいて初めて具現化するのです。

渡り鳥はとんでもないパワーで1000㎞2000㎞も飛んで移動します。
時期が来るとホルモンが変化して、身体を寝てても飛べるようなマシーンへと変化させます。

そのエネルギーを抑え込んで鳥カゴで飼うことは到底無理です。残酷です。
だからタキさんには何がなんでも春までに治ってもらわないと困るのです。

そして、約1ヶ月半後

ヒーリングの甲斐があったのか、もともとタキさんの治癒力が強かったのか、羽が生え揃いました。

もうタキさんにも分かっていました。

飛べる。
野生に帰るときがきた。

天気予報を見て、一週間は晴れが続くだろうと当たりをつけた日。
開けた扉から元気いっぱいに飛び出して行きました。

動画からとった写真、早すぎて残像になってる

なんのためらいもなく。

自信たっぷりに。

少しの間うちの近くを飛び回っては休み、外の世界を思い出しているようでした。
家の中では一度も鳴かなかったタキさんが、綺麗な声で鳴きます。

わたしは自由♪
ここがわたしの世界♪

自由への扉が開いたとき「どうしよう」なんていうのは人間だけです。

タキさんは知っていました。
どこが自分の住む世界なのか。
だから外がどれだけ厳しい世界だったとしても、勇敢に飛び立って行ったのです。

怖さを勇気で乗り越え、手に入れた勇敢さ。

わたしにこの勇敢さがあるだろうか。

ここがわたしの住む世界だと自信を持って言えるだろうか。

そうであるために、今何ができるだろう。

小さな体で何千キロも旅をする鳥が教えてくれたことは、
自分に対する揺るぎない自信が勇敢さの源だということでした。

タキさんが残してくれた贈り物は、わたしがわたしらしく生きるために欠かせないものでした。

ありがと、タキさん。

また来年きっと会おうね。

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著者

鳥とシータヒーリング®︎をこよなく愛するヒーラー。
潜在意識の書き換えと各種エネルギーワークを併用して、喜びに溢れた人生をクリエイトするお手伝いをしています。

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