今日は鳥の夫婦愛のお話を。
鳥は一夫一婦制が多い種族です。
仲の良い夫婦をおしどり夫婦と呼びますが、これはオシドリに限った話ではなく、鳥の場合大抵のつがいはどちらかが亡くなるまで一緒です。
中でもフクロウは本当に夫婦仲が良く、毎年殖期には求婚をして一緒に子育てをして、子供が巣立った後は夫婦で仲良く寄り添って寒い冬を過ごします。
私が留学中にお世話になったフクロウのリハビリセンターでは、36歳で現役のお父さんをやってる白フクロウがいて、目の悪い奥さんに毎朝マウスを運んであげていました。
彼自身も事故で翼を痛めて飛べなくなっているので、広~いでか~い禽舎の上から下まで木を伝って移動しつつ、餌入れ(マウス入れ)からくわえてせっせと持って行くのでした。
メスは容赦なく何度もお代わりを所望して、その度にオスがえっちらおっちら往復するという献身ぶり。
その施設の創設者のマッキーバーさんが
「フクロウのメスなら多少体に障害が残っても、オスが面倒を見るから野生に帰せるのよ。ふふふ。」と話してくれた時には感動したものでした。
繁殖期や子育て時期以外でもオスはよくメスにネズミをプレゼントしています。
カワセミのプレゼントシーンの写真も見たことがありますし、ペットのインコもよくメスに口移して餌をあげていたりしますよね。
うちのゴマちゃん(オスのチャボ)も虫をあげると「コココココ♪」と嬉しそうにくぐもった声でメスを呼びます。
嫁、いないけどね。
独り者だけどね。
ごめんよ、これ以上増やせないから…(。・ω・)ゞ
仕方ないので、ウズラのモンちゃん(女の子)にあげようとして、彼女のケージの前まで持って行きます。
モンちゃんは顔を出して待ってます。
が、いかんせんケージが邪魔なので、結局はゴマちゃんが自分で食べちゃいます。
まあ、でも通常鶏はメスがプレゼント食べてるうちにオスが乗っかるんで下心満載というか…。ごにょごにょ。
フクロウの夫婦愛では、とても切ない思い出もあります。
だいぶ昔ですが、夜中にアオバズクのホーホー鳴く声で目が覚めて、その声がどうにも尋常ではなくて、気になって朝まで眠れなかったことがありました。
その日、すぐ近所の鳥専門医のところへうちの子を診てもらいに行ったら、先生が「あ、ちょうどよかった。これから市の職員が怪我したフクロウを連れてくるから手伝って。」と。
連れてこられたのはアオバズクのメス。
近所の神社で保護されたようですが、猫に襲われたらしく卵がお腹の中で割れていました。
手術を手伝い、そのまま連れて帰って看病したのですが、敗血症で程なくなくなりました。
その間、昼夜ぶっ通しでオスのアオバズクがうちの近くをホーホー鳴きながら飛び回っていたのです。
胸が張り裂けそうな声で。
亡骸をアオバズク夫婦の巣がある木の根元に埋めてあげたくて、神社の神主さんに頼んだら「死は不浄なものだからダメです」と…
「おまえんちの放し飼いの猫がやったんだろガーーーーーーーっ!」とキレましたが、ダメなものはダメ。
それでも、アオバズクの死体を持って泣き叫ぶ女に同情したのか、ビビったのかわかりませんが、塩とお米を持ってきてくれて、境内はダメだけど公園ならいいよと言ってくれました。
キレてごめんね。
でも、放し飼いはやめてね。
その後、3日間ほどオスは悲痛な鳴き声で探し回り、諦めてどこかへ去って行きました。
その間は私も一緒に泣きながら過ごしたことを覚えています。
翌年彼はそこの神社へ戻ってきませんでした。
こんなフクロウ話を今の旦那さんと知り合った時にしたのですが、数年後、結婚する時になって
「僕はフクロウのオスみたいな旦那さんになりたいです」と言ってくれました。
創造主は私が
「今度誰かと一緒になるなら、フクロウのオスみたいな人がいい。」とお願いしたのをちゃんと聞き届けてくれたのです。
ボボボボ…
今は亡きプーちゃんが、夜中に私を見つめてそっと呟く声を思いだします。
ボボボボ… (訳:大好き)