シータヒーリング®︎を始めて間も無く、無謀にもサロンを開こうと思い準備を進めていた頃のお話です。
本科とは別の、エレクティブクラスとして「アディクション(中毒)」と「フォーギブネス(許し)」というクラスを受けました。
講師はクロアチアのゴラン。
静かな話し方と独特の「間」が魅力的なインストラクターです。
リーディング力は恐ろしいほどです。
(現在はシータヒーリング®︎から離れてオリジナルのヒーリングを教えていらっしゃるようです。この時のセミナーが日本開催での最後となりました。)
「僕はみんなの救急車なんだよ」と、よく言っていました。
内戦で辛い思いをしてきた人とは思えないほどの穏やかなエネルギーです。
アディクションのクラスでは、中毒を解放するために様々な角度から取り組みます。
遺伝や歴史レベルでは、誓い、誓約というものもあり、それらは時に、執着として、何度も何度も返ってくるエネルギーとなり、私たちをこの場に留めてしまいます。
たくさんのチェックリストを元に、自分を閉じ込めている誓いを見つけます。
けっこう、おえーっとなる内容だったりします。
そんな時、ゴランがボソッと言いました。
「あなた方が囚われている、一番大きな誓いを見てあげようか?」
クラスがザワザワしました。
ゴランがリーディングしてくれるの?
すごくない?
通訳の香さんも「こんなことは初めてですよ、みなさんとてもラッキーですね」とおっしゃってました。
そして、座っている順にどんどんリーディングが始まりました。
1人ずつ立ち上がって、名前を言って、少しだけ待ちます。
わたしの隣の女性が立ち上がったとき、ふと思いました。
「もしかしてあのこと言われるのかな」
ついさっき彼女とペアワークをした際、彼女は娘さんのことでとても悩み傷ついていたのです。
自分が母親として至らないせいで娘さんを苦しめ、離れて行ってしまったと。
「あなたは、決して良い母になってはいけないという誓いをしていますね」
「わああ…!」泣き崩れる彼女。
うっかりわたしまで悲鳴をあげそうになりました。
ああ、でも、彼女のこの苦しみは、過去生のどこかから引き継いできた誓いなんだ。
それがわかったら、もうすぐここから彼女は出られるんだ。
今日、ここにいると言うことは、そうなんだろう。
よかったね。
次はわたしの番。
何が出てくるんだろう…
ドキドキ。
「あなたは、自分の本当の姿を決して見つけてはならないという誓いをしていますね」
「へ?」
何?
意味わかんないですけど?
わたしはずっと自分と向き合ってきてますけど?
どういう意味??
頭では全く理解できない言葉なのに、膝から力が抜けていき、崩れ落ちるように椅子に座りました。
広がる絶望感。
「心配しないで。この誓いを持っている人は、他にもいるから。」
ゴランが言いました。
思い当たる人たちが動揺しているのか、教室がざわめきます。
わたしは今まで何やってきたんだろう?
シータ歴はたかだか数ヶ月ですが、その全てが無駄だったよと言われたような気がしました。
その後、他の人たちの誓いがなんだったのかも全く耳に入らず、ぼんやりしているうちにペアワークが始まりました。
わたしはこのテーマを保留にして手をつけませんでした。
というより、手をつけられませんでした。
自分の本当の姿を決して見つけてはならない
こんな誓いをしてたら、何をやっても無駄じゃない?
決して変容することなんかできないってことだよね?
自分が誰だかわからないままずっと生きてくってことだよね?
頭の中でぐるぐると思考が回り続けていました。
実はこの誓いについて、本当の意味で解除できたのは5年後だったのです。
シータヒーリング®︎のサイエンスインストラクターになるまで、ずっとこれを抱えたままだったのです。
もちろん、何度かセオリー通りに掘り下げをしてみました。
その誓いを解放したら、最悪何が起きるのか。
それはもう、最悪な自分を目の当たりにして、最悪な気分になるに決まってるよね。
想像を絶するドロドロの自分が出てくるでしょ?
考えただけでもうんざりでした。
では、解放に至るきっかけはなんだったのでしょう?
それはハシブトガラスのクーちゃんの失踪事件の体験だったのです。
もう帰って来ないクーちゃんを思い、絶望したあの時。
野生で生きていけない彼が、飢えて野垂れ死にをしてしまう。
わたしのせいで…。
その追い詰められた苦しみの中で創造主が教えてくれたこと。
「お前が地球だったらどうやってクーを迎える?」
それは、驚くような体感でした。
あの瞬間、わたしは地球になり、一切の裁きを持たずに地上の全てを愛していたのです。
初めて感じる一体感。
ほんの瞬間だったけれど、あれがワンネスの体験だったのです。
スピリチュアルを学んでいれば当たり前のように出てくる「ワンネス」という言葉。
頭では理解していても、体感することとは全く次元が違うのだと知りました。
普通に瞑想しているだけではなかなか到達できない領域ですが、この時の魂の叫びはわたしの閉じている心の蓋を開くような衝撃だったような気がします。
そしてそれが創造主に届いたのだと思います。
このワンネス体験以降、だんだんと自分が思っている「自分」が何か違うような気がしてきました。
その後も時折訪れるワンネス感覚。
創造主との一体感とも言えるこの感覚は、確実にわたしの内側の何かを変えていきました。
そして数年後、シータヒーリング®︎もサイエンスまでやり切って少し疲れていた頃、別の師に出会い、自己認識こそがこの先の覚醒への大事な一歩だと理解した時、この誓いを思い出しワークしたのです。
自分の本当の姿を決して見つけてはならない
本当の自分を何か悪いものだと思っていても
また、何か素晴らしいものだと思っていても
結局はセルフジャッジ以外の何ものでもない。
創造主とひとつであることが本来の姿なら、喜びこそが魂の本質である。
そこに至るには、努力も苦行もなく、ただそうであるだけでいい、そんな簡単なことだった。
本来の姿から遠ざける誓いが、本当の自分を見つけるための努力と苦行を続けるための原動力となっていたなんて。
まるで幸せの青い鳥のお話のよう。
灯台下暗しとも言える。
本末転倒…
ガチョーン
思考パターンあるあるでした。
わたしたちは、めんどくさいやり方で霊的成長をしようと頑張っている生き物です。
これはスピリットが遺伝的性質を受け継ぐ傾向が強いからです。
これをやめるには、どれだけ穏やかな心の状態でいられるかにかかっています。
お分かりと思いますが、穏やかさを得るために不屈の努力などは似合わないのです。
サバイバルモードが基本の身体意識に振り回されず、穏やかな内面であり続けることが近道です。
もし、日々の生活を焦りや苛立ちの中で過ごしているなら、今すぐそこから出ていきましょう。
それは現実ではなく、わたしたちが頭の中で作った幻想なのですから。