先日、ソウルメイトのインストラクタークラスを受講しました。
ソウルメイト関連のお話は得意分野なので、早く開催したいなと思っていたクラスです。
ジョッシュとレイナの仲良し夫婦によるクラスは、本当にソウルメイトについて学ぶにはぴったりのエネルギーなんです。
二人の若い頃の恋愛話なども楽しみながら受講していました。
そして、1日目の講習が終わったその夜、のんびりとしていると珍しく兄から電話の着信がありました。
その着信画面を見たとき、胸の中でコトンと何かが落ちました。
ドキドキして出ると、いつも通りの明るい声で兄が告げました。
「お父さん、亡くなったみたい」
あ、やっぱり…
肺がんの手術から5年。
癌が消えたとは言え肺のダメージは大きく、年々呼吸が辛くなってきていたので、なんとなく覚悟をしていたのでした。
兄は明るい声を出していましたが話はちんぷんかんぷんで、わたしも頭が真っ白で、お互い会話をしているフリのようでした。
少しボーッとして、兄からの次の連絡待ちをしている間、ふと父に会いに行こうと思いました。
創造主に父はどこ?と聞くと、すぐに真っ暗な闇の中へと連れて行ってくれました。
暗闇でぼんやりと立っている父。
変な服を着ています。
声をかけようと近づくと、くるっと振り返り、わたしを見つけてパッと顔を輝かせました。
「おやおや!」
待ち合わせの場所でわたしを見つけた時にいつも見せる、嬉しそうな笑顔です。
こんな所で奇遇ですね~みたいな感じで、ごく普通の父です。
「あのね、あっちだよ。あの光のところに行くのよ。」
なんの前置きもなしに言いました。
すると指差した方向がパアッと明るくなります。
父は黙ってそのまま歩き出し、ちらっと振り返りました。
「うん。わかってるから。大丈夫。今までありがとう。」
わたしがそう告げると、少しすまなそうな感じで微笑み、それから前を向き直りました。
もともと大事なことを言葉で伝えることなどなかった父ですが、相変わらずでした。
それでも言いたいことはよく分かったし、わたしからも言うべきことはほとんどなかったのです。
すーっと滑るように光の方へ進んでいく父を少しの間見送っていると、
不意に5~6歳の少年の姿になって走り出しました。
七五三のようなスーツ?
一張羅を着ています。
そして、眩しい光を背に着物姿の女性が嬉しそうに迎えています。
ああ、お母さんに会えたんだ…
幼い頃に死に別れた父のお母さん。
ずっと別れの悲しみから解放されることなく生きていた父は、ようやくお母さんのところへ帰ることができたようです。
よかった。
心の底から安堵している自分に気づきました。
父の病気のことは普通に気がかりでしたが、わたしが一番気にかけていたのは、父のこの悲しみだったのです。
シータヒーリングを学び始めてから、自分の喘息について働きかけをすると必ず父の問題が出てきました。
祖父やご先祖さまもみんな肺を悪くして亡くなっているので、遺伝のワークもたくさんしました。
喘息はだいぶ良くなったものの、父はやっぱり肺がんになったし、お母さんとの別れの辛さを忘れられず、浮気をしても相手と別れることすらできなかったのです。
翌日のクラスでは、もちろんまともにペアワークなんぞできません。
ペアになったTさんに正直に父のことを話すと、渾身のセッションをしてくださいました。
わたしが4歳の頃から父には愛人がいて、ずっと続いていたのです。
30年ほど前にわたしが調停役をして実家から父を追い出し、母への扶養のことやら何やら取り決めをしました。
父は絶対に離婚はしない、妻子を路頭に迷わせるようなことはしないと言い張ったのですが、当時のわたしはすでに大人だったし、母の心が壊れていくのを黙って見過ごすわけにはいかなかったのです。
それから父は愛人宅(とは言っても父が援助をして買ったマンションですが)に転がり込んで、最期はその家で安らかに逝ったのです。
お昼寝から起きてこなかったという、なんとも幸せな死に方でした。
「でね、父の遺品の整理をしに、この愛人宅へ兄と行くことになって…」
ペアワークの相手のTさんに言いました。
「あああ、それは…きついですねえ。ちょっと待ってね、創造主に聞いてくるわ!」
数秒後
「うん!それすぐ行った方がいい。
絶対避けちゃだめ!
あなたにとっても周りの人たちとっても前に進むのにすごく大切なことで、ディバインタイミングも関わってるから!
ね、絶対に間を置かないで行ってね!」
で、怒涛のセッション。
ガチセッション60分。
もう、ほんっとーーにお世話になりました。
どれだけ助けられたことでしょう、感謝です。
悲しみを表現するのが苦手なわたしのことをとても心配してくれたTさん。
父の死をどう悲しむのか…よく分からない。
ふらふらになったセミナー終了後、
帰宅をすると、うずらのときちゃんが亡くなっていました。
夫が一人で看取ってくれたのです。
数日前から具合が悪くて覚悟していたのですが、持ち直したと思っていたのに。
小さな亡骸は、いとも簡単に悲しみ方を思い出させてくれました。
まるで呼び水のように。
死んでなお愛おしい姿に涙が止まりません。
ああ、悲しいのか。わたしは。
どさくさに紛れて、いろいろな悲しみが流れ出ていきます。
ありがとう、ときちゃん。
たくさん卵もプレゼントしてくれて、最後にいい仕事してくれて。
心が空っぽになっていきました。
そして、兄からの連絡で話はトントン拍子に進み、愛人宅での遺品整理は火葬の翌日ということになったのです。
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中編へ続く