鳥とスピリチュアル

はじめの一歩

最近ハシブトガラスのクーちゃんが、お外で水浴びできるようになりました。

ベランダに出したタライにちゃっぽん!

勢いよくしぶきをあげて烏の行水です。

縁側をマイルームにしている彼は真冬でも水浴びを欠かさない綺麗好きですが、おかげで床の塗装は剥げ、あちこち水を吸って傷んできています。

綺麗好きと言っても、体に関してだけで部屋は凄まじい汚しかたをします。

カラスなんて飼うもんじゃないですよ。

汚い、臭い、黒い3Kです。

 

外で水浴びしてくれないかなー。

そう思い始めたのはいつ頃だったでしょうか。

 

くーちゃんがうちに来たのは3年半ほど前。

元の飼い主さんの都合により飼えなくなり、一旦里親さんに預け、なんとその里親さんから返されてしまって途方に暮れていたところ、我が家へのご縁ができたのです。

その当時すでに7歳。

ヒナの時に保護されたので、ほとんど外の世界を知りません。

しかも元の飼い主さん宅では脱衣所暮らしだったので、ほんの少し開けた窓から外を覗くだけだったそうです。

うちに来て縁側を陣取ったのはいいもの、お外が丸見えの環境に慣れるまで時間がかかり、宅配の車が私道に入って来るだけで大騒ぎする始末。

元々の怖がりな性格の上に、唯一の家族だった飼い主さんから引き離され、加えて里親さんからの出戻りのトラウマもあって知らない人が怖くて仕方がない。

一人暮らしの男性に育てられているので女性に免疫がない。

それなのに相性の合わなかった里親さんが女性だったので、さらに女性嫌いに。

わたしを見てビビらなくなるまで、根気よく一緒に遊んで過ごす必要がありました。

ただ、不思議と夫のことだけは初対面の時から肩に乗って歌を歌うほど慕っていて、今では唯一頭を撫でさせる相手です。

本当にいちいち新しいことに慣れるのに時間のかかる子です。

彼がお外で水浴びなんて、当時は実現するとは思っていませんでした。

 

そんなある日。

お天気が良いので縁側に腰掛けて、何の気なしにクーちゃんを誘ってみるとわたしの背中越しにお外をチラチラ。

一緒なら外に出れるかも?

それから時々縁側の日向ぼっこに誘って少しずつ慣らし、ある日

ぴょん

と、お外に降りて、

サッ

と、戻りました。

それからは誰かと一緒なら少し出られるようになり、時々置いてあげたタライのフチに乗ってお水を飲んだりしていました。

更に、網戸を突きまわして大きな穴を開けたのをキッカケに、そこから網戸を開けることを覚え、隙間からお外に出るようになりました。

この分ならもしかして、お外で水浴びも夢ではないかも??

とりあえずタライだけでも置いおこう。

 

それからまた何ヶ月も経ったある日のこと。

開け放った窓の外に置いてあるタライをしげしげと見つめていたクーちゃんが

チャポン!!

突然前置きなしで入りました。

うちに来てから3年半。

やっとです。
思う存分水をまき散らしバッシャバッシャやってます。

 

新しい一歩が怖いのは人もカラスも同じ。

クーちゃんは特に怖がりだから時間がかかったけれど、水浴び好きと好奇心には勝てなかったんですね。

怖かったお外も一歩出てみたら楽しいことがたくさんありました。

こわい!

でも楽しそう!

行ってみたい!

それを実行できたのは、古いトラウマが癒され次へと進む勇気を持てたからでしょう。

カラスのように群れで暮らす生き物が、ファミリーから引き離されてしまった時の衝撃は計り知れません。

時間をかけて私たちと信頼関係を築き、

保護されているという安心感をしっかりと味わい、

少しづつ恐怖を乗り越えていったのだと思います。

 

人も…

どうしても一歩が踏み出せない時は、無理矢理頑張るよりも原因となる古い傷を癒す方が楽なんだと思います。

この一歩…

これを踏み出したら最悪何が起きると思いますか?

自分にとって、本当は何が一番怖いのだと思いますか?

そしてそれは、あなたにとって一体どんな意味があるのでしょう?

もし、自分がいつでも守られていると信じることができたら、勇気を持てるでしょうか。

クーちゃんは今では庭のメダカ鉢から布袋草を引っ張り出したり、ミミズを見つけて食べたり、たくさんイタズラしています。(それもどうかと思うのですが)

脱衣所暮らしの時には隙間から見ることしかできなかったお外の世界。

一体何を思って見ていたことでしょう。

 

今、彼の世界は全く違うものになりました。

ねえ、クーちゃん。毎日楽しい?

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